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横井小楠の天道をめざして

横井小楠の天道をめざして

田沼は腹黒いだけの人?

歴史の転換点には、規格外の人間が現れる。源義経、楠木正成、織田信長、豊臣秀吉、坂本竜馬などなど…。

しかし、安定期の江戸時代に出現した田沼意次は規格外の人間だった。
意次の父親は、紀州藩の足軽だった。その後、父親は旗本になった。
家督を継いだ意次は九代、十代将軍に使え、老中という今でいうと閣僚まで登りつめた。

田沼意次といえば、ワイロだが、それだけで異例の出世ができるのであろうか?

意次がわが世の春を謳歌していたとき、蘭学は全盛期に入り、蘭学の勉強を口実にさまざまな西洋の最先端科学、思想、軍事関連情報が流れ込んできた。この時点においては、日本の文化レベルは西洋に引けを取らなかった。
意次が、大商人を保護していたことは、半面物価のつり上げもあっただろうが、全体として、経済活動も活発で庶民レベルもその恩恵に浴していた。


しかしだ。

その後の松平定信の寛政異学の禁によって、朱子学以外の学問が禁止されてしまった。今でいうと、聖書のみしか勉強してはいけませんと言っているようなものだった。今まで、鎖国はしていたものの長崎を通じて最新情報が入っていたが、ここで本当の鎖国が始まってしまった。黒船に驚く国になってしまったのだ。文化レベルは急速に低下、どっかの共産主義国のようになってしまった。

田沼意次からワイロという要素を抜き取ると、彼の本当の姿が見えてくるのではないだろうか?
ワイロはいけませんけどね。


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